アラセブシングルの老境サバイバル日記

往年の「若さと美貌」はどこへやら 、到達点は何と「馬鹿さと貧乏」だった。

『ブラックボランティア』

本間 龍『ブラックボランティア』(角川新書)

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本書の内容
スポンサー収入4000億円と推定されるスポーツ興業、東京オリンピック。この大イベントの運営を、組織委員会は11万人もの無償ボランティアでまかなおうとしている。応募にはさまざまな条件があり、10日以上できる人で、事前研修の参加も必須、宿泊費などの経費も自己負担だ。「一生に一度の舞台」など、美名のもとに隠された驚きの構造を明らかにする。

 

芭珈紗:私が楽しみにしてるYouTube番組に著者の本間さんがよく登場されて、東京五輪やコロナが話題になる。
ビン坊:本間さんてどんな人?
芭珈紗:1989年に博報堂に入社して2006年に退社するまで営業を担当したんだって。その経験をもとに、広告が政治・社会に与える影響、メディアとの癒着などについて追及して、原発安全神話がいかにできあがったのかを書籍で明らかにしたと紹介されてた。
ビン坊:フ~ン
芭珈紗:私、東京都民じゃないから、ボランティアには興味が無かった。でも、この本に書かれてる「頂点にいる高給取りの組織委や電通社員を無償で働くボランティアが支える仕組み」って、カルト宗教にソックリでビックリした。
ビン坊:フ~ン
芭珈紗:「やりがい」や「感動」という言葉を餌にボランティアを募集して、真夏の炎天下で無報酬で働かせようなんて、ホントにひどい。この本を読んでよかったわ。もう、お人好しではいられない。
ビン坊:この本の目次の抜粋を見ただけでも、ことの重大さが分かるわね。

   「ボランティア募集中」のイラスト文字

(目次)
はじめに  酷暑下で展開される未曾有の「やりがい搾取」

 

第1章 10万人以上のボランティアをタダで使役
無償ボランティアの根拠は何か
なりふり構わぬ「学徒動員」計画
驚愕の「中高生枠」
「薬剤師も無償で調達」で大騒ぎに
高齢者は募集対象外?
半世紀以上前に否定されていた夏季開催
19年ラグビーWCまでも無償ボランティアで?
長野五輪のボランティア

 

第2章 史上空前の商業イベント
商業化は84年のロサンゼルス五輪から
IOCと五輪貴族を支えるスポンサーシステム
一業種1社の原則を捨てた東京五輪
組織委の不明朗な体質
パブリックビューイングを開けない「スポンサーファースト」

 

第3章 ボランティアの定義と相容れない東京五輪
ボランティアとはそもそも「タダ」という意味ではない
五輪運営費の内訳に対する疑念
巨額のスポンサー料をなぜ開示しないのか

 

第4章 東京五輪、搾取の構造
無償ボランティアがオリンピック貴族に貢ぐ構図
「やりがいPR」で再び炎上
無償ボランティアになるためにカネを払う?
さまざまな有償ボランティア

 

第5章 なぜやりがい搾取が報道されないのか
「全国紙全紙が五輪スポンサー」の異常
組織委の「核心的利益」を追及しないメディア
メディアの東京五輪報道は原発プロパガンダと同根である
電通を批判できないメディア

 

第6章 問題を伝え続けること
5万人がリツイートした無償ボランティア批判
大学で講義をしてみると

 

終章 21世紀の「インパール作戦
東京五輪インパール作戦の相似性
外国人観光客の熱中症で病院はパニックに
組織委はボランティア全員を有償とせよ

 

おわりに