アラセブシングルの老境サバイバル日記

往年の「若さと美貌」はどこへやら 、到達点は何と「馬鹿さと貧乏」だった。

「母の北上」と何の関係が?

高齢になると眠りが浅くなるというが、私の場合は申し訳ない位グッスリ眠れる。その理由として、思い当たることが1つある。

 

芭珈紗:夜、部屋の灯りを煌々とつけてると、体内時計が狂って寝付けないって言うよね。
ビン坊:漆黒の闇には不安を感じるから、月明かり程度がいいらしい。
芭珈紗:暗がりと聞くと森絵都さんの「母の北上」を連想してしまう。
ビン坊:何、それ?
芭珈紗:夫と死別した母親の話。息子が帰省するたびに母の拠点が北へ北へと移動していることに気付く。ついには北側の小さな和室にまで北上するの。
ビン坊:どうしてかしら?
芭珈紗:息子が母に説教すると、母は息子を家電ショップに誘い、蛍光灯や電球をいくつも買ったの。
ビン坊:ハァ~?
芭珈紗:つまり母の北上は、切れた電灯を付け替えできないから、次々に部屋を移っただけ。息子が心配する理由ではなかった。
ビン坊:それがアンタの安眠とどんな関係があるの?
芭珈紗:実は、寝室の天井の蛍光灯が切れて、ウォーターベッドの真上だから付け替えができない。読書もできないから安眠に最適の部屋なのよ。
ビン坊:アンタ、それを言うために「母の北上」から説明したわけ?

   蛍光灯の交換をしている人のイラスト

森絵都さんの「母の北上」はラジオ文芸館で聴いて、母の可愛らしさと強さが印象に残った。女は何があっても、したたかに生きていく。寝室には豆電球があれば十分。そのままにしておこう。