アラセブシングルの老境サバイバル日記

往年の「若さと美貌」はどこへやら 、到達点は何と「馬鹿さと貧乏」だった。

『身辺整理 わたしのやり方』

曽野綾子『身辺整理 わたしのやり方』興陽館

この類いの本を見ると思わず手にとってしまう、そんなお年頃。

 

この本を読んで「スゴい」と思った点が3つある。

 

1つ目は、目次に書かれている見出し
見出しがワンポイントアドバイスになっており、目次を見ただけで「アッ、私もやってる」とか「ヘェ、そうなのか」とか「ヨシ、読んでみよう」と引き込まれる。

「品物は一つ買ったら一つ捨てる(p.36)」や「使わないものは買わない(p.41)」などは、多くの成人女性が実践しているハズだが、曽野氏の文章で読むと「偉大な智恵だ」という気になるから不思議だ。

 

2つ目は、出典著作から抜粋された文章が短いこと。
どれも1~3頁に収まっており、年老いて体力と根気がなくなった私でも一気に読める。

そして「年を取って頑張り過ぎない(p.110)」とあるのを読んで安心する。
やがては「老年の衰えは、一つの『贈り物』(p.183)」といった境地になるのだろう。

 

3つ目は、曽野氏の潔さが随所にみられ清々しい。

「不自然な延命を試みる医療は受けない(p.167)」の最後の一節。
死ぬまで人生の舵を取る主は自分だったと思える人は、或る時、その人生を敢然と手放せるはずである。

「死んだ後のことは何一つ望まない(p.184)」の冒頭の一節。
死んだ後のことを私は何一つ望まない。死んだ後はきれいさっぱり忘れられるのがいいのである。

 

目次の見出しが余りにも魅力的で、列記しようかと思ったが、大変そうなので止めた。



現時点で、一番心に響いた内容は、

「食事の心配をすることで老化を防ぐ(p.100)」
「自分で料理をつくることが最良のぼけ防止(p.156)」

ということで、「終活、終活」と叫びながら、まだまだ若さと生に執着する自分である。