アラセブシングルの老境サバイバル日記

往年の「若さと美貌」はどこへやら 、到達点は何と「馬鹿さと貧乏」だった。

聞いた話③ 他人(ひと)のじゃないでしょ、自分のでしょ

理科を担当する高校教諭の知人から聞いた話である。


血液型判定の実験の際、合わせて赤血球の観察・スケッチも実施した。
レポートに「材料名」を書く欄があり、生徒に何と書いたら良いか訊かれて「ヒトの赤血球」と答えたそうだが・・・。

 

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芭珈紗:実験終了後、知人は一緒に実験をしたオバチャン助手にこう言われたらしい。

生徒がレポートに「ひとの赤血球」って書いてたから「他人( ひと)のじゃないでしょ、自分のでしょ」って注意したのよ。そしたら生徒は「先生がそう書けと言った」って答えたけど(アンタ、間違って教えたんじゃないの)

ビン坊:生物学では生物の名はカタカナで表記するから「人間」のことは「ヒト」って表記するよね。その助手さんてどんな人?
芭珈紗:元保護者で、子供の在籍当時からパートでずっと働いている人だって。
ビン坊:フ~ン
芭珈紗:他にも困ったことがあったらしい。
ビン坊:どんなこと?
芭珈紗:顕微鏡観察の時、生徒はスケッチをするんだけど、オバチャン助手が自分の描いた見本を提示するの。それがまさによくない見本。

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色の濃いところを黒く塗りつぶして描いてたらしい。
ビン坊:誰か間違いを指摘する人はいなかったのかしら?
芭珈紗:年配の男性教諭がいたらしいけど、言ってることが「あ~う~」としか聞き取れなくて、オバチャン助手からも時々「ボケてるんちゃう」とか言われてたらしい。
ビン坊:何か大変そうね。
芭珈紗:知人は、オバチャンにはオバチャンの論理があると悟ったらしい。何があっても「アリガトウ」と「ゴメンネ」としか言わなくなったそうよ。そしたら、うまく行くようになったって。
ビン坊:その知人さん、嫁姑問題や老人問題を垣間見たみたい。いい勉強になったわね。

 

  認知症のお婆さんのイラスト

 

当時、知人はこんな歌を詠んでいた。

俵万智ほどの才能あったなら 学校すぐに辞めてやるのに」

「したいこと全部してからボケるねん イマドキ滅私奉公なんて」

その職場にいた何年かの間に、人生観が変わったに違いない。