アラセブシングルの老境サバイバル日記

往年の「若さと美貌」はどこへやら 、到達点は何と「馬鹿さと貧乏」だった。

『70歳、これからは湯豆腐』

太田和彦『70歳、これからは湯豆腐』(亜紀書房)

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まえがき
70歳を過ぎた。晩年だ。
仕事、家族、自分の目標など、およそのことは形がつき、これからあまり変わらないと思う、いや変わってほしくない。この歳で新しい事態に対処するのはしんどい。では残り少なくなった日々をどう生きてゆこうか。(中略)
そして今、求めるのは心の安泰だ。それを何に託そう。
答えがあった。豆腐だ。
豆腐はそれ自体でうまいが、おでんも、鍋も、すきやきも脇役として欠かせない。(中略)
その豆腐が主役となるのが「湯豆腐」だ。(中略)
70歳、これからは湯豆腐だ。

 

芭珈紗:私、この本、男の料理本かと思って、参考にしようと手に取った。70歳になったら肉より豆腐の方が身体に良いって話しかと思った。
ビン坊:アンタ、自分の立場・思惑を投影し過ぎ。それ悪い癖よ。
芭珈紗:読んだら、もう、痛快!チョット紹介するわ。
「あきらめると楽に」
高齢になったら、いろいろをあきらめれば生きやすくなるとよく言われる。(中略)
いろいろあきらめたらすごく肩の荷がおりた。高望みどころか、望みはなし。もうひとりでいい。夜一杯飲めればじゅうぶん。これは楽だ。(以下略)
「真価は定年後」
定年後の再就職のためハローワークへ相談に行き「何ができますか?」と聞かれ「管理職」と答えたら、そんな仕事はないと言われたそうだ。(中略)
歳をとったら遠慮しろ。隅のほうで世話役に徹しろ。いっぱしに偉くなったつもりの人ほどこれができない。そうではなく、自分の経歴は捨てて、見えない下積みを黙々と続け、いつしか尊敬される人になってゆく。こうありたい。(以下略)
ビン坊:アンタ、そういう話しに興味あるって、オバアサンというよりオジイサンに近いかも。
芭珈紗:最高に面白かったのがこれ。笑ってしまった。
「親の七光り」
亡くなった私の兄は電通に就職して間もないころ、こんな話を聞いたそうだ。電通は大企業の息子を優先入社させるのが採用方針で、それはその企業から安定して広告をもらうための人質なんだと。だから聞こえのよい部署に置いておくが、まわりからは「そのための男」としか見られない。つまり実力はいらない。(以下略)
ビン坊:何かと話題の電通にここまで言えるなんて凄い。意地悪とか、されないのかしら。

   湯豆腐のイラスト

他にも、中高年のおしゃれ、奥さんとの付き合い方など、なるほどと思わされる内容が満載だった。