アラセブシングルの老境サバイバル日記

往年の「若さと美貌」はどこへやら 、到達点は何と「馬鹿さと貧乏」だった。

『なぜ人はカルトに惹かれるのか』

瓜生 崇『なぜ人はカルトに惹かれるのか-脱会支援の現場から』(法藏館)

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自らも入信脱会を経験した著者が、○○○脱会支援を通して気づいた、正しさ依存症としてのカルト。脱会とは、迷いながら生きていく勇気を持つことである。

 

芭珈紗:「優秀で理性的と思われる人でもカルトにはまるのは何故?」と疑問だったので、この本を読んでみた。
ビン坊:著者はどんな人?
芭珈紗:真宗大谷派ご住職で、大学在学中に浄土○宗○○会に入会、活動後、脱会した経験のある人。
ビン坊:著者は、人がカルトに惹かれる理由についてどう言ってるの?
芭珈紗:教団の虚偽性にかかわらず、それを求める信者の根底にある思いは、人間存在の根本的な意義を求める宗教心であったことは、疑いないと思う。」って。
ビン坊:フ~ン
芭珈紗:カルトは多くの場合、あなたが生きているのはこのためだ、という明確な答えを与える。あなたの人生はこういう意味があるのだ、・・・そして、今後はここに向かって歩んだらいいのだ、と。・・・これを私は『真理への依存』とか『正しさへの依存』と名付けている。」って。
ビン坊:その求道心が、教団や教祖への服従に変わっていくのね。
芭珈紗:著者は「当初、『どうしたら自分が本当に救われるか』という思いを持って教団で求道したが、途中でそれが『どうしたら会長先生の御心に叶うことができるか』にすり替わっていることに気づいた。」と書いてる。
ビン坊:宗教団体アルアルよね。そしてやがて暴走し出すのね。
芭珈紗:カルトの見分け方について『Q&A宗教トラブル110番』を引いて7項目を紹介してる。例えば「信者らに高額のお金を要求」「宗教団体の代表に対する、絶対的帰依と従属を要求」「構成員に恐怖感をあおる」「信者らにただ働きをさせている」など。
ビン坊:それに気づいて脱会できる信者さんがいたらスゴいよね。
芭珈紗:そうね。そして、脱会後の回復の最後のポイントは「正しさ依存からの回復」だと言って「『世界は多様な真理や価値観を内包し、それぞれが認め合いつつ生きていける』という事実に立つのだ。」って書いてる。
ビン坊:経験者だから奥深いよね。

 

著者は○○会の活動家時代に、秘密の任務としてインターネット対策を命じられたという。○○会の「誹謗サイト」を見に来た人を紛らわしいダミーサイトに誘導する手法など、現在の宗教団体の実態を垣間見ることができた。